
カーシェアリングが近年注目を集めているのは、ガソリン価格の高騰や自動車生産数の飽和状況を考えれば、当然といえる事です。ただ、実際にカーシェアリングというサービスが本当にこれから日本のスタンダードなサービスの一つとなっていくかどうかは、まだ未知数です。そこで、時間帯や曜日、そして場所によってどのような使い道があるかという事をいくつか使用例を考え、シミュレーションしてみます。
まず、平日の朝、通勤時に利用するケースです。当然この時間帯が最も需要が伸びる事でしょう。ワンウェイ方式を採用している会社はほとんど見かけないので、基本的には通勤利用=通勤している会社での駐車、という事になります。この時間帯は、単純に通勤用としての需要があるため、当然ビジネスとして成り立ちます。会社が終わった後についても同様です。
平日の昼間はどうでしょう。営業の方に対して非常に需要が大きくなることが予想されます。とある地域を回る際、現地まで電車で行き、その地域にあるカーシェアリングを利用する事で、効率的な使用が可能となります。営業マンの数はかなり多いので、平日の昼間も需要は伸びるでしょう。
カーシェアリングの意義は、車を使わない時には維持の事を考える必要がない点が挙げられます。逆に言えば、ビジネスとして考えた場合、その部分が空白となります。例えば、サラリーマンにとって、平日の朝から夕方までは車が必要な時間帯ですが、平日の夜や週末はあまり必要とはいえません。この時間帯に車を必要とする人がいなければ、カーシェアリングというビジネスは時間帯の限られたレンタルと同じ事になってしまいます。しかし、実際にはむしろ平日の夜、週末にしか使用しないという方もいます。仕事で車を使用しないため、車を所有していないという人たちです。そういった人たちは、主にレジャーや買い物を目的としてカーシェアリングを利用する事になります。平日の夜に買い物や食事の為に遠出する場合や、週末に家族連れで遠出する場合に利用するという形です。こういった人たちは、決して少なくありません。つまり、この層とサラリーマン層とガッチリかみ合うのです。サラリーマンが平日の日中に使用し、例えば自営業や駅が近所という人たちが平日の夜や週末利用する。これによって、車は一日中稼動していきます。深夜に車が必要という人たちも含めれば、カーシェアリングというビジネスの有効性はさらに増します。
その他、カーシェアリングのビジネスにおける展望としては、マンションカーというスタイルが提案されています。マンションカーというのは、同じマンションの住民で車を共有しようというものです。マンションの住民同士で車を共同使用するという形になります。この場合には1台では無理なので、数台の車を置く事になります。マンションカーのユーザー側のメリットは、利用の為にカーシェアリングの管理駐車場まで移動する必要がないという点です。同じところに帰ってくる人の間だけで利用するので、かなり融通がきくでしょう。共有するオーナーも同じマンションの住民なので、コミュニケーションが取りやすく、他の人が使用する時間帯も把握しやすくなります。マンション側にとっても、駐車場の不足という問題を感じる必要がないので、便利といえます。駐車場のスペースを広くとる必要がなければ、マンションを建設する際の制限を和らげる効果も出てきます。そして、ビジネスを行う企業側としても、マンション単位での契約ならば、安定した需要を得る事ができるでしょう。
こう考えると、マンションカーはかなり良い事ずくめですね。もちろん、実際に普及させる場合には問題点も浮上してくるでしょう。それでも、十分価値のある試みであると思います。
日本におけるカーシェアリングは、まだまだ未発達と言わざるを得ません。料金形態も一律化されておらず、知名度も低い状況です。それでもカーシェアリングは、ガソリン高騰と環境問題への関心が追い風となり、現在最も注目されているビジネスモデルの一つとなっています。
そんなカーシェアリングの事業を始める場合、まず事前にいくつか用意しなければならないことがあります。最初に行うのは、サービスの実施地域の選択です。どこにカーシェアリングの需要があるか、しっかり見極めた上で決める必要があるでしょう。次に、ターゲットの選定や駐車場の位置、管理方法などのビジネスモデルと、集客の目標を立てる必要があります。それが済んだら、今度は実際に集客活動を行います。この集客活動というのは、実際にカーシェアリングに興味のある人を選定地域で募り、意見を活発に聞いていく事です。こういった活動を事前に行っておかないと、実際にビジネスを始めてみても全く顧客が付かないなどという事態が起こってしまう可能性があります。サービスの土台をしっかり整えたら、人気車種を選定し、料金設定を綿密に行い、準備を整えましょう。カーシェアリングは、まだ名前だけで人が集まるような事業ではありません。しっかりと下準備して、ようやくビジネスとして成り立つスタートラインに立てるのです。
次に、気をつけなければいけないのが、カーシェアリング事業を行うにあたっての法律です。日本では、まだカーシェアリングを取り締まったり、規制したりすることに特化した法律が個別にあるわけではありません。その為、カーシェアリングを行う業者は、日本の法律上ではレンタカー業者とみなされ、サービスを提供する場合には、レンタカーと同じ規制を受ける事になります。また、自家用車を共同で使ったり、料金を設定して貸し出す場合には、国土交通大臣の許可が要るのですが、カーシェアリングの場合も許可が必要となります。他にも道路運送車両法に基づき、整備管理者を置く必要がありますし、日常点検も義務付けられます。もっとも、日常点検はたとえ義務でなくとも、カーシェアリング事業には絶対に必要な作業です。カーシェアリングは、共同オーナーという形態を取る為、誰かが使った後に別の誰かが使い、そこで不快な思いをする人がいれば、オーナー同士のトラブルが発生してしまいます。それは、カーシェアリングという事業にとっては致命的な事です。そういったトラブルを回避する為、カーシェアリングでは誰かが乗り降りした際には必ず清掃や点検を行わなければなりません。これに加え、車庫法による車の保管場所の規制もなされています。車の保管場所はどこでも良いというわけではないのです。 こうしてみると色々と大変な事もありますが、カーシェアリングは今後必ず発展していく事業ですので、是非検討してみてはいかがでしょう。